【C芽】ひとこと科学 53(シリーズ・お空の下ではー子ども向けー vol.8)

【C芽】ひとこと科学 53(シリーズ・お空の下ではー子ども向けー vol.8)

 みなさん、こんにちは。

 GW真っ只中!いかがお過ごしですか?

私の住む福岡では、この時期は「博多どんたく」というお祭りが開催されています。

博多どんたくは、博多三大祭りのひとつです。

博多三大祭りは、他に7月の山笠、9月の筥崎宮放生会があり、5月から隔月で何かお祭りが開催されていることになります^^

福岡にお越しの際は、ぜひ博多のお祭りを楽しんでくださいね♪

 それでは、今回も前回に引き続き、科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」から、松田先生の人気シリーズ「お空シリーズー子ども向けー」です。

以前、お届けしていた大人向けの分とぜひぜひ読み比べてみてください^^

ぜひ、このGW中に前の分も読み返してみてくれるとうれしいです^^

★今回の投稿★

〈タイトル〉

お空の下では-子ども向けー vol.8

〈本文〉

*前回の図から振り返りましょう。

積雪は3メートルを超えたので、鉄棒は雪に埋まって見えません。
雪解けになって現れたのはスケッチのように飴のように曲がった鉄棒でした。

〈雪に埋もれた鉄棒は、春に向かって雪がだんだん解けてくると、どんな姿で現れたでしょう??〉

 さてどのような大きさの力で曲がったのでしょうか?

普通鉄棒は運動している人の体重を支えているので体重の何倍かの力がかかっても耐えられる強さがあるはずです。

そして撓っても元に戻ります。

鉄棒の断面の真上の雪の重さだけではとても人の体重を支えるだけの力にはなりません。

また曲がったままの状態になってしまいました。

雪原は凍てつくことを繰り返しながら凍る時に下向きの力をだしますが、そのとき面方向に一斉に凍れて沈下するので、沈下に抵抗している鉄棒に周辺の沈下の力がかかったと考えられます。

でも周辺は何処までと決めるのはとても難しい。

雪が溶けたなら何故元に戻らないのかも説明する必要があります。

そこで、鉄棒の方から考えることにしましょう。

熱したときと同じように凍るときの温度で鉄棒が力を受け続けると曲がったままで元に戻らなくなったと考えられます。

これを塑性(そせい)変形と言います。

皆さんが将来何か形あるものを作ろうとしたときに基本になるのが材料力学です。

どのような大きさの力が加わったのか、答えはそのとき見つけてください。

――――――――――

*前回までの記事は以下からご覧いただけます。

3月15日「お空の下では-子ども向けー vol.1」

3月22日「お空の下では-子ども向けー vol.2」

3月29日「お空の下では-子ども向けー vol.3」

4月5日「お空の下では-子ども向けー vol.4」

4月12日「お空の下では-子ども向けー vol.5」

4月19日「お空の下では-子ども向けー vol.6」

4月26日「お空の下では-子ども向けー vol.7」

投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=5