【C芽】ひとこと科学96「温暖化と豪雪」

【C芽】ひとこと科学96「温暖化と豪雪」

 みなさん、こんにちは。

日中に外を歩いていると、少し汗ばむ季節になってきたように感じる今日この頃。

そんな今日は、松田先生から地球温暖化について考える記事です。

今回も自然界の「なんでなんで」ですね。

自然の中にある大きなことにも小さなことにも、「なんでなんで」を感じて見つけて、考えて、調べて、答えを発見して、それを立証する、

「問を立てる→思考する→発見する→エビデンスを取る」

この循環を「ひとこと科学」の記事を使って、日々、皆さんの生活の中にも「なんでなんで」を見つけて、ぜひ実践してくださいね^^

★今回の投稿★

〈タイトル〉

温暖化と豪雪

〈本文〉

(少し前のことです)

 天気予報で大雪の恐れありと騒いでいるので、さぞかし北陸では大変だろうなと思っていると、近年は殆ど雪が積もることが無く、降ってもまたすぐに消えるという。

奥越の同級生の話である。

まして半世紀以上前までに経験した、凍れた朝、田んぼに積もった雪原の上を真っすぐに歩いて小学校まで行ったことは今はできない、実感として明らかに温暖化しているという。

でも温暖化しているのに2018年の豪雪は何故起きたのでしょう?

 雪はシベリアからの季節風が日本海を渡り、日本列島の山岳地帯で上昇の際に冷却されて雪となりますが、寒気団の南下と日本海の海水温が高いことが重なると、日本海で大量の水蒸気を含むため豪雪となります。

そこで気象庁のデータから、日本海中部の1-3月の海面水温の上昇率は100年間で+2.58℃と日本近海の中でも高く、地球全体の平均気温の上昇率+0.76℃よりも遥かに高くなっています。

図 1 冬型気圧配置の際に強力なシベリア寒気団による季節風が日本海を通って日本列島にやってくる。そのとき海水の表面温度が高いと大量の水蒸気を伴うため、温暖化でも2018年のような豪雪となる。因みに2018年以前の数十年の豪雪は1963年、1981年であった。
図 2 世界の平均気温の上昇。とくに1970年~2020年の上昇率は2℃/100年と高く、このまま続くと2020年から2050年までに0.6℃上昇する。地球温暖化のパリ協定の目標と比較しながら考えてみよう。

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投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822

*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=52