【C芽】ひとこと科学 47(シリーズ・お空の下ではー子ども向けー vol.2)

【C芽】ひとこと科学 47(シリーズ・お空の下ではー子ども向けー vol.2)

みなさん、こんにちは。

3月18日(土)ついに、事業構想大学院を修了(卒業)しました。

これからは子どもたちの起案するプロジェクト(事業)への伴走にも本格的に力を入れていきたいと思っています^^

大学院を卒業しての振り返りは、じっくり落ち着いて振り返ったら、このブログでも書いていければと思っています。

それでは、今回も、前回に引き続き、科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」から、松田先生の人気シリーズ「お空シリーズー子ども向けー」です。

前々回までにお届けしてきた大人向けの分とぜひぜひ読み比べてみてください^^

★今回の投稿★

〈タイトル〉

お空の下では-子ども向けー vol.2

〈本文〉

奥越の越前大野は山に囲まれた盆地で冬は雪深く、寒い。

10年か20年に一度は大雪に見舞われ、一晩に50-60cm積もることは珍しくありません。

雪が降り積もるとどうなるでしょう。

最初に部屋と廊下や部屋と部屋を隔てている障子やふすまが片側だけ開かなくなります。

それでも何もせずにいると次には両方とも開かなくなります。

雪の重さで柱の梁(はり、水平に使われている柱)が曲がって障子などを圧迫するためです。

さらに何もしないと家が倒壊することにもなるので、屋根に積もった雪降ろしをしなければなりません。

 ところで屋根の雪はどれくらいの重さになるのでしょう?

粉雪は軽く、湿った雪は重いのですが、日本の平均で新雪では同じ体積で水の0.3倍,しまり雪で0.5倍くらいです。

奥越地方は日本海側の湿めり雪なので新雪でも重いのですが、仮に0.3倍のままとします。

屋根の大きさを表と裏で10mx10mとすると、積雪1.5mの体積は10mx10mx1.5m=150立方メートル、水は1立方メートルで1トンなので雪の重さは45 トンとなり、大変な重さです。

 君の重さは何kg? 小6の平均体重は45 kgくらいなので、1000人が屋根の上に乗っていることになります。

《おしくらまんじゅう》でもこれだけの人は無理、はみ出して落ちる生徒が出てきます。

そうだ、屋根の上で組体操をすればできるじゃん。ダメダメ屋根に上がるだけでも危険なのでNG。

 和風の家の柱の数を20本とすると1本あたりどれだけの重さを支えないといけないか計算できますよね。

そうです雪だけで柱1本で2.25トンです。

レクサス・ハイブリッドの重さが丁度2.23トンです。何故、雪を降ろさないといけないかわかりましたか?

――――――――――

*前回までの記事は以下からご覧いただけます。

3月15日「お空の下では-子ども向けー vol.1」

投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=5