【C芽】ひとこと科学 50(シリーズ・お空の下ではー子ども向けー vol.5)
- 2023.04.12
- まなサポブログ
みなさん、こんにちは。
入学式も始業式も終わり、いよいよ新学期が本格的に始まっていっていますね。
新しいクラスでドキドキやワクワクや不安、期待、楽しみ・・・など、いろんな思いが混ざっている時期だと思います。
うれしいときも、楽しい時も、困ったときも、悲しい時も、学びの芽育はみなさんにそっと寄り添える存在でいたいと思っています。
今年度も遠慮なく声をかけてくださいね^^
それでは、今回も前回に引き続き、科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」から、松田先生の人気シリーズ「お空シリーズー子ども向けー」で、少し前の冬を思い出しながら読んでみてください。
以前、お届けしていた大人向けの分とぜひぜひ読み比べてみてください^^
★今回の投稿★
〈タイトル〉
お空の下では-子ども向けー vol.5
〈本文〉
北陸地方では20年か30年に一度豪雪の年があります。
毎日降り続いた雪が積もって3メートルを超えることもあります。
昭和38年の豪雪の時は積雪が3.8メートルに達しました。
このときは毎日が雪降ろしでした。
降ろして積もった雪が屋根よりも高くなると雪の放り上げになります。
玄関に入るには雪の階段を下りて辿り着きます。
写真はそのときの市街地の一場面です。
人が通れる道は2階建ての屋根より高くなります。
両側に商店が軒を連ねているので道路は直ぐに降ろした雪で一杯になってしまいます。
道路側の屋根はまだ降ろす場所があります。
しかし反対側にはどの家も蔵などの建物で囲まれた小さな内庭しかないのですぐに降ろした雪で埋まってしまいます。
そこで問題です。
この人達はどうやって道路と反対の裏側の屋根の雪を降ろしたのでしょうか?
背に腹は代えられないので人々は知恵を絞ります。
二通りの方法がありました。
①道路側に投げ捨てた雪が2階の高さくらいまでの時は、いったん裏庭に降ろした雪を2階の部屋の両側の窓を開放し、《そり》を2階の部屋の中を通して表側の道路に投げ捨てました。
②それより道路側の雪が高くなると、裏側の屋根雪を一旦道路側の屋根に放り上げ、次に道路に投げました。
自分の家の他に学校などの公共施設の雪降ろしにも人手として駆り出されます。
現在のような高齢化社会では大変です。
《一時期屋根に雪が積もらないように地下水をくみ上げて常時屋根に水を流しておく方法が採られました。
しかし地下の水位が下がり湧水が枯渇するようになって現在は使われていません。
新しい方法を取り入れるときは良いことばかりではないことを考えないといけません。》
――――――――――
*前回までの記事は以下からご覧いただけます。
3月15日「お空の下では-子ども向けー vol.1」
3月22日「お空の下では-子ども向けー vol.2」
3月29日「お空の下では-子ども向けー vol.3」
4月5日「お空の下では-子ども向けー vol.4」
【投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】
1945年生まれ・京都大学出身・工学博士
原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任
専門は核融合炉システム
【「ひとこと科学」について】
専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。
科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。
https://blog.manabinomake.net/?p=822
*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について
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