【C芽】ひとこと科学83「神話の科学(7)」

【C芽】ひとこと科学83「神話の科学(7)」

 みなさん、こんにちは。

「遠い遠い私たちのおばあちゃんは実は、みんな同じ人だった」

なんて信じられますか?

今回も、加藤先生の「神話の科学」のつづきから、私たちの由来を感じてもらえればと思います。

そして、日々、見聞きしたものの中に「なんでなんで」を感じて見つけて、考えて、答えを発見して、それを立証する、

「問を立てる→思考する→発見する→エビデンスを取る」

この循環を「ひとこと科学」の記事を使って、実践してみてほしいなと思っています。

今回の記事の中に、「人類のなんでなんで」をたくさん見つけてくださいね。

最後にこれまでの「神話の科学」の記事にも飛べるようにリンクを貼っています。

そちらも合わせてご覧ください^^

★今回の投稿★

〈タイトル〉

神話の科学(7)

〈本文〉

 人類の移動はどうしてわかったのでしょうか?

文字がない時代にどうやって記録したのでしょうか、どうやって伝えたのでしょうか?

 現代の遺伝子に関する科学(ゲノム科学)がこの問に答えを出したのです。

私が中学生のころは、北京原人(シナントロプス・ぺキネンシス)は中国人の先祖、ジャワ原人(ピテカントロプス・エレクトス)は東南アジア人の先祖、ネアンデルタール人(ホモ・ネアンデルターレンシス)はヨーロッパ人の先祖と習いました。

つまり人類はいくつかの地域で独立して進化してきたという説明でした。

 それが、遺伝子DNAの文字の配列(塩基配列)を読む技術が開発され進化してきたことにより、遺伝学的な解析が1980年頃から急速に進歩した来たのです。

母親からだけ伝わるヒトのミトコンドリアの遺伝子の解析で、現代人(ホモ・サピエンス)は約20万年前以前にアフリカから始まったという衝撃的な結果が出たのです。

たった一人の女性(遺伝的な母親エバ)から進化してきたというのです。

核にあるヒトの全てのDNAの解析も進み、同じ結論が導き出されました。

北京原人もジャワ原人もネアンデルタール人もすべて過去に滅びた人類であったことが分かりました。 

ーーーーー

*前回までの記事は以下からご覧いただけます。

2023年1月4日「神話の科学(1)」

2023年1月18日「神話の科学(2)」

2023年1月25日「神話の科学(3)」

2024年1月3日「神話の科学(4)」

2024年1月10日「神話の科学(5)」

2024年1月17日「神話の科学(6)

https://blog.manabinomake.net/?p=1653

投稿者:加藤茂孝先生プロフィール】

1942年生まれ・東京大学出身・理学博士

国立感染症研究所室長、日本ワクチン学会理事、米国疾病対策センター(CDC)客員研究員などを歴任

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=528