【C芽】ひとこと科学81「神話の科学(5)」

【C芽】ひとこと科学81「神話の科学(5)」

 みなさん、こんにちは。

今回も、加藤先生の「神話の科学」のつづきです。

遠く離れているのに、とても似ている。そんなことを経験したことはありませんか?

神話にもあるんです。遠く離れている国のそれぞれの神話が似ていること。

「なんで似てるの?」

それぞれの国の歴史や文化に思いをはせながら、

日々の中に「なんでなんで」を感じて見つけて、考えて、答えを発見して、それを立証する、

「問を立てる→思考する→発見する→エビデンスを取る」

この循環を「ひとこと科学」の記事を使って、実践してみてほしいなと思っています。

今年も身のまわりに、どんな「なんでなんで」が隠れているか想像してみてくださいね。

最後にこれまでの「神話の科学」の記事にも飛べるようにリンクを貼っています。

そちらも合わせてご覧ください^^

★今回の投稿★

〈タイトル〉

神話の科学(5)

〈本文〉

 人が亡くなるとどこへ行くのか?

どうして帰ってこないのか?

世界の東でも西でも、大昔でも今でも、皆がその答えを探しています。

私は小学校時代に古事記物語を読みました。そこにその答が書いてありました。

国の始まりの頃、伊弉諾(いざなぎ)伊弉冉(いざなみ)という夫婦の神様がいたのを知っていますか?

いざなみが出産の事故で亡くなったので、いざなぎは妻を黄泉(よみ)の国へ探しに行きます。

地下の国です。

出雲(いずも)にある黄泉(よもつ)比良坂(ひらさか)という坂から地下に下りるのです。

無事に妻には逢えたのですが、いざなみが「私が隠れた部屋を覗いてはいけない」という黄泉の国の約束を、いざなぎが守らなかったので、妻を連れて帰ることが出来ませんでした。

 また、同じ小学校時代にギリシャ神話のオルフェウスの物語を知りました。

妻エウリディケを亡くしたオルフェウスは黄泉の国迄降りて行きます。

ギリシャでもやはり地下です。

妻に逢えて連れ戻そうと坂を上ってきました。

しかし、「地上に戻るまでは、口を聞いてはいけない、後ろを振り返ってはいけない」という約束を守れなくて、妻は黄泉の国へ引き戻らされてしまいました。

子供心に、よく似た話だと思いました。何故似ているのだろうか?

黄泉比良坂(島根県観光連盟)

『エウリュディケを冥界から連れ戻すオルフェウス』ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1861年、ヒューストン美術館)(public domain)

ーーーーー

*前回までの記事は以下からご覧いただけます。

2023年1月4日「神話の科学(1)」

2023年1月18日「神話の科学(2)」

2023年1月25日「神話の科学(3)」

2024年1月3日「神話の科学(4)」

https://blog.manabinomake.net/?p=1632

投稿者:加藤茂孝先生プロフィール】

1942年生まれ・東京大学出身・理学博士

国立感染症研究所室長、日本ワクチン学会理事、米国疾病対策センター(CDC)客員研究員などを歴任

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=52