【C芽】ひとこと科学 32「5000年ぶりの天体ショー」
- 2022.12.21
- まなサポブログ

みなさん、こんにちは。
先週から一段と寒くなり、全国で初雪が降りましたね。
私は昔から雪が好きで、何年か前の大雪(福岡)のときは、かなりはしゃいで住んでいるまちを歩き回ってました(笑)
ところで、科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」から、今回は初登場の山崎泰規先生の投稿です。
山崎先生とは、CAS talkでご一緒させていただいています。
山崎先生はCAS talk以外にもNPO法人三鷹ネットワーク大学さんなどの活動もされていて、科学コミュニケーションの分野でもご活躍の先生です。
今回は今年の「天体ショー」について書いてくださいました。
★今回の投稿★
〈タイトル〉
5000年ぶりの天体ショー
〈本文〉
(動画をご覧ください。)
これは皆既月食(月が完全に地球の影に入り太陽の光が届かなくなること)が起こっている最中に天王星(太陽に近いほうから7番目の惑星)が月の後ろに隠れる惑星食を撮影したものです。
3時間40分続いたこの天文ショーをここでは40秒に縮めました。
動画は、太陽の光を全面に浴びて明るい満月からはじまり、地球が太陽と月の間に左上から割り込んで影を作り(部分月食)、影が次第に広がってついには太陽光が完全に遮られた皆既月食になり、しばらくして月の上部が再び照らされ始め、最後に満月に戻るところで終わります。
大きめの画面で見ますと、皆既月食が終わる少し前に小さな輝点が左側斜め上から月の真横に近づき、月の裏に隠れます。
この輝点が天王星です。
こんなことが本当に起こるのですね。
計算によりますと月と天王星の二重食が前回起こったのは5000年前です。
我々はこのまれな天文現象を文字で記録する機会をもった最初の人類だった!というわけです(笑)。
なお、月と惑星の直近の二重食は土星の場合で442年前だったようです。
織田信長が本能寺の変で落命する2年前です。
土星食は肉眼でもはっきり見えたでしょうから、月が消えさらに土星まで消えるのを目の当たりにして、強気で非宗教的な信長もあるいは不安が頭の片隅をよぎったかもしれませんね。
あるいは、明智光秀が好機到来と見たか?
天文現象は無邪気な妄想にはもってこいです。
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山崎先生の初投稿はいかがでしたか?
宇宙や天体の話題は、とてもワクワクする人が多いのではないでしょうか?
私たちが歴史の一幕に立ち会ったと思うと、なんだか感慨深いなぁと思います。
「この時代のことをどう次の時代に伝えていくか?」
天体ショーは、そういうことを改めて伝えてくれているのかもしれない・・・とふと思いました。
【投稿者:山崎泰規先生プロフィール】

理化学研究所名誉研究員、東京大学名誉教授
1973年大阪大学理学部物理学科卒、78年同大学院工学研究科博士課程修了(工学博士)。
同年 東京工業大学 原子炉工学研究所 助手、88年 東京大学 教養学部 助教授、93年 同 教授、97年 理化学研究所 原子物理研究室 主任研究員併任、15年 理化学研究所研究政策審議役(副理事)。
12年 東レ科学技術賞受賞。
著書に『粒子線物理学』丸善(1994年)等がある。
【「ひとこと科学」について】
専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。
科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。
https://blog.manabinomake.net/?p=822
*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について
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