【C芽】ひとこと科学75「都市の桑の実」

【C芽】ひとこと科学75「都市の桑の実」

 みなさん、こんにちは。

前回に引き続き、松田先生からの投稿です。

「なんでこの木はここにあるんだろう?」

「なんでこの花はここに咲いてるんだろう?」

そんなことを考えたことはありますか?

何事にも必ず「なんでなんで」があります。何事にも必ず「わけ」があります。

本当はすぐ近くにたくさん眠っている「なんでなんで」を一緒に見つけませんか?^^

それでは今回も、日々の中に「なんでなんで」を感じて見つけて、考えて、答えを発見して、それを立証する、

「問を立てる→思考する→発見する→エビデンスを取る」

この循環を「ひとこと科学」の記事を使って、実践してみてほしいなと思っています。

★今回の投稿★

〈タイトル〉

都市の桑の実

〈本文〉

 5-6年前に環状7号線の歩道の植え込みの中に高さ1mに満たない木の葉っぱを見た時は、なんだこれは桑の葉ではないかと、何故このようなところにと思っていました。

実はこれらの植え込みは毎年都から依頼された業者が来て選定していくのですが、恐らく業者の人は見慣れない木なので切っては拙いと思って切り残してきたと思われます。

ところが蚕さんの餌になる桑の木だけに毎年どんどん枝を伸ばすので成長が早いのです。

コロナ騒ぎが一段落して気が付いてみたら高さ3メートルもある大きな木になっていました。

そして今年の夏は一面に桑の実がなっています。紫色に熟した一つを試しに食べてみると確かにあの味です。

そこで何故ここに生えているのかの答えは容易に想像できました。

つまり、今や桑の実など知る人がいない中で、人が運んできたとは考えられません。

鳥が地方で食して飛んできてここで出した糞の中に種が入っていたに違いありません。

図 1 東京環七の南交差点の桑の木(配電盤の後ろ)

葉の拡大図。 虫に食われたのではありません。このような形をしています。 蚕さんはこの葉を音を立ててパクパク食べて大きくなり、繭になります。

投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=52