【C芽】ひとこと科学70「ユリの花」

【C芽】ひとこと科学70「ユリの花」

 みなさん、こんにちは。

今日は久しぶりに松田先生の投稿です。

松田先生はこれまで、「枝垂れ桜の謎」「あじさいの葉っぱの秘密」に始まり、大作お空シリーズの連載も書いてきてくださいました。

その松田先生からの新しい記事の中には、この間、私も伝えてきた日々の中に「なんでなんで」を感じて見つけて、考えて、答えを発見して、それを立証する、

「問を立てる→思考する→発見する→エビデンスを取る」

この循環の大切さも、松田先生の言葉で綴ってくださっています。

皆さんの日常のなかにある「なんでなんで」に思いをはせながら読んでみてください。

★今回の投稿★

〈タイトル〉

ユリの花

〈本文〉

 わたくしの自宅の階段の上り口の横に電柱が立っており、この夏その左脇にユリの花が1輪咲きました。

私が種を植えた覚えはありません。

電柱の右端には毎年春には彼岸花が咲きます。

これも植えた覚えはありませんが、なぜそこに咲くようになったかはわかっています。

道を隔てた隣家の敷地に彼岸花がたくさん植えられていて、その種が風に吹かれて飛んできて電柱脇で芽を出し株となったものだと思います。

ところが近くでユリの花を育てている家はありません。

なのにどうしてここに咲くようになったかが何故の始まりです。

科学には何故と疑問を持つことが重要です。

そしてこうではないかという仮説を考えます。

つぎにその仮説が正しいかどうか、証拠探しが始まります。

観測や実験、計算などをつかって誰もが納得する証拠を見つけます。

それが科学です。

ヒントはこの近くに車を止めると、フロントガラスや天井が汚されることがあることです。

答えは次号で。

図 電柱左脇の1本の白百合
 
右脇の枯草は春に開花する彼岸花の枯れたもの。

投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

【「ひとこと科学」について】

専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。

https://blog.manabinomake.net/?p=822



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

https://blog.manabinomake.net/?p=528