【C芽】ひとこと科学 65(タンポポの穂はなぜ長い?)
- 2023.09.20
- まなサポブログ
今回は、加藤茂孝先生が、「タンポポの穂はなぜ長い?」という疑問をもとに調べたことを共有します。
皆さんが探求や自由研究などをするときに、どういうところから情報を得ればよいか、どこで調べればよいか・・・などの参考になればと思います。
科学者の先生方がどういうところから情報を得て、どういうものを参考に思考しているのか・・・を知るきっかけになればと思っています。
★今回の投稿★
〈タイトル〉
タンポポの穂はなぜ長い?
〈本文〉
タンポポの穂(花茎)の長さについて日本植物生理学会のQ&Aで、答えを見つけました。
ーーー以下引用ーーー
(略)タンポポの花茎は花が咲いた後、倒れその後で立ち上がり、綿毛をつけた頭部を持ち上げます。そこで花茎が倒れているタンポポで光を感じる部分として考えられるのは、(1)成熟中の果実を含んでいる開花後の花、(2)花茎、(3)葉です。開花時の花は暗くなるとしぼむことから光に感じることが分かります。
花茎に横から光を当てると、影側が伸びて光のほうに曲がることから、花茎も光に感じることが分かります。
葉ですが、葉同士が重ならないように並んでいる所から、葉も光に感じて位置を変えている、つまり光に感じることが分かります。
(略)タンポポの花茎の伸びは一般の茎の伸びと同じように、植物ホルモンのオーキシンによっています。このことが、何処に当たった光が効いているのかを考える上での鍵になります。
オーキシンは、茎や花茎の上から下へ送られ、下から上には送られません。
ですから花茎の伸長に与える光を感じている部分は花茎の上になければなりません。
成熟中の果実を含む開花後の花を取り除くと、花茎の伸びが悪くなることから、開花後の花茎の伸長が開花後の花から供給されるオーキシンによっていることが分かります。
花茎の伸長に影響を与えている光は開花後の花が受けた光です。
SPPサイエンスアドバイザー 柴岡 弘郎 回答日:2015-07-25
ーーー引用終わりーーー
掲載元はこちら⇩
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3325
【投稿者:加藤茂孝先生プロフィール】
1942年生まれ・東京大学出身・理学博士
国立感染症研究所室長、日本ワクチン学会理事、米国疾病対策センター(CDC)客員研究員などを歴任
【「ひとこと科学」について】
専門家の方など専門分野に携わる方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。
科学者の先生方や科学技術の実務の現場の方、科学コミュニケーションの活動をされている方などの「言葉」を発信中。
https://blog.manabinomake.net/?p=822
*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について
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