【C芽】ひとこと科学vol.25「なんで『冬は感想に注意』なの?」

【C芽】ひとこと科学vol.25「なんで『冬は感想に注意』なの?」

みなさん、こんにちは。

いつの間にか秋も過ぎてしまいつつあり、冬に入る時期になってきましたね。

科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」からの第25弾の投稿です。

今回は、先日、「春の嵐」を寄稿くださった女性の科学者・中野美紀先生からの「ひとこと」です。

冬に入る前のこの時期に冬の「当たり前」「常識」を疑ってみませんか?^^



★「ひとこと科学」第25回投稿★

〈タイトル〉

なんで「冬は感想に注意」なの?



〈本文〉

金沢の冬の話の続きをします。

冬になると、必ずニュースで「乾燥にご注意ください」と言われます。

金沢で過ごした子供のころ、これが不思議でなりませんでした。

前回のコラム「春の嵐」でも書きましたが、金沢の冬はとにかく天気が悪いのです。

気象庁のデータから過去10年の平均をとると、11月から1月の降水量が7月から9月の降水量をはるかに上回っています。

暖かい日本海の水蒸気を大陸からの季節風がせっせと運んで、日本海側の冬の空に分厚い雲を作ってくれるおかげです。

いつも雨か霰かみぞれか雪が降っていて、外は濡れている所しかありません。

一般的には寒いと水が蒸発しないので雲ができず、空気中に含むことができる水蒸気量も少ないので空気は乾燥します。

冬に湿度が高い気候というのは、冬の雷とともに世界的にも珍しい現象だそうです。

とはいえ日本の半分は日本海側なので、日本海側の気候も無視しないでほしいな、と思っています。

*ぜひ、前回の「春の嵐」もあわせてご覧ください^^

10月12日「春の嵐」

投稿者:中野美紀先生プロフィール】

1966年生まれ 神戸大学出身 博士(理)

理化学研究所 計算科学研究センター 研究員



【「ひとこと科学」について】

専門家の先生方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

まずは、科学者の先生方の「言葉」から発信中。



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について