【C芽】ひとことvol.19(春の嵐)

【C芽】ひとことvol.19(春の嵐)

みなさん、こんにちは。

いつの間にか夏が過ぎ去って、すっかり秋になってきましたね。

科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」からの第19弾の投稿です。

今回は、女性の科学者・中野美紀先生の「ひとこと」です。

秋に入る時期ですが、二足先の「春」を少し想像しながら、「当たり前」「常識」を疑ってみませんか?^^



★「ひとこと科学」第19回投稿★

〈タイトル〉

春の嵐



〈本文〉

クラシック音楽の名曲にビバルディの「四季」という曲があります。この中でも「春」は特に有名で、クラシックに興味がない人でも、どこかで聞いたことがあると思います。

春らしい明るく快活なメロディで曲が始まりますが、途中で曲調が急に変わり春の嵐が描写されます。

子供のころ、音楽の授業でこの解説を聞いた時、「春の嵐」の部分がどうにも納得できませんでした。

というのも、私が生まれ育った金沢では、嵐と言えば「冬」だからです。

金沢の冬の嵐はすさまじいです。「鰤(ぶり)起こし」という雷が有名です。

本当に鰤が目を覚ますのか知りません。

この冬の雷が、実は世界的に珍しい現象であるということを、つい最近知りました。

冷たい海の代名詞のような冬の日本海は、暖流のおかげで実は暖かく、大陸からの冷たい季節風にたっぷり水蒸気を与えて積乱雲を作り、日本海側に大雪と雷をもたらすそうです。

自分の常識や思い込みはまるであてにならないな、と思いしりました。

投稿者:中野美紀先生プロフィール】

1966年生まれ 神戸大学出身 博士(理)

理化学研究所 計算科学研究センター 研究員



【「ひとこと科学」について】

専門家の先生方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

まずは、科学者の先生方の「言葉」から発信中。



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について