【C芽】ひとこと科学vol.13(シリーズ・お空の下では)

【C芽】ひとこと科学vol.13(シリーズ・お空の下では)

みなさん、こんにちは。

科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと」からの第13弾の投稿です。

今回も、「市民と科学者のトークグループ CAS talk」でいつも記事を書いてくださっている松田先生からの「お空シリーズ」の続編です。

前回までの分と合わせてぜひお読みいただけたらうれしいです^^



★「ひとこと科学」第13回投稿★

〈タイトル〉

お空の下では(3)

〈本文〉

 ところで屋根の雪はどれくらいの重さになるのでしょう?

粉雪は軽く、湿った雪は重いのですが、新雪で比重0.3,しまり雪で0.5程度というのが建物などでよく使われます。

奥越地方は日本海側の湿雪なので新雪でも重いのですが、仮に比重0.3のままとします。

屋根の大きさを両面で10mx10mとすると、積雪1.5mの重さは10mx10mx1.5mx0.3=45 トンとなり、大変な重さです。

 君の重さは何kg?

成長した高校生の平均体重は60 kgなので、750人が屋根の上に乗っていることになります。

《おしくらまんじゅう》でもこれだけの人は無理、はみ出して落ちる生徒が出てきます。

そうだ、屋根の上で組体操をすればできるじゃん。ダメダメ屋根に上がるだけでも危険なのでNG。

 和風の家の縦柱の数を20本とすると雪だけで1本あたりどれだけの重さを支えないといけないか計算できますよね。

レクサス・ハイブリッドの重さが丁度2.23トンです。

何故、雪を降ろさないといけないかわかりましたか? 

(一口メモ)

積雪は降雪量を足し合わせたものではありません。

例えば毎日80㎝の降雪が3日間続いたとします。

そのとき積雪は2.4mではありません。

最初の日に降った雪は次の日に降った雪の重さを受けて締まる(押しつぶされる)からです。

このため、3日目の積雪は2.0メートルだったりします。

ニュースで報道される《積雪》は観測地点での現在積もっている雪の高さを言います。

*前回までの記事は以下からご覧いただけます。

7月27日「お空に乗って」

【CAS×芽育】ひとことvol.8(お空に乗って:松田先生)

8月10日「お空に乗って(続編)ーお空の下ではー」

★祝10回★【C芽】ひとことvol.10(続編・お空に乗って)

8月24日「お空の下では(2)」

http://manasapo.net/blog/?p=981

投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

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【「ひとこと科学」について】

専門家の先生方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

まずは、主に科学者の先生方の「言葉」から発信中。

【CAS×芽育】の新しい取り組み「ひとこと」



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

【CAS】市民と科学者のトークグループ CAS talkについて