【C芽】ひとこと科学vol.14(シリーズ・お空の下では)

【C芽】ひとこと科学vol.14(シリーズ・お空の下では)

みなさん、こんにちは。

科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」からの第14弾の投稿です。

今回も、前回に引き続き、「市民と科学者のトークグループ CAS talk」でいつも記事を書いてくださっている松田先生からの「お空シリーズ」の続編です。

前回までの分と合わせてぜひお読みいただけたらうれしいです^^



★「ひとこと科学」第14回投稿★

〈タイトル〉

お空の下では(4)

〈本文〉

 北陸地方では20年か30年に一度豪雪の年があります。

毎日降り続いた雪が積もって3メートルを超えることもあります。

昭和38年の豪雪の時は積雪が3.8メートルに達しました。このときは毎日が雪降ろしでした。

積雪が屋根よりも高くなると雪降しではなく雪の放り投げになります。

玄関に入るには雪の階段を下りて辿り着きます。写真はそのときの市街地の一場面です。

人が通れる道は2階建ての屋根より高くなります。

両側に商店が軒を連ねているので道路は直ぐに降ろした雪で一杯になってしまいます。

道路側の屋根はまだ降ろす場所があります。

しかし反対側にはどの家も蔵などの建物で囲まれた小さな内庭しかないのですぐに降ろした雪で埋まってしまいます。

そこで問題です。

この人達はどうやって道路と反対側の屋根の雪を降ろしたのでしょうか?

昭和38年(1963年)
越前大野市街
2階建ての屋根より雪道の方が高い。

背に腹は代えられないので人々は知恵を絞ります。二通りの方法がありました。

①道路側に投げ捨てた雪が2階の高さくらいまでの時は、裏側の屋根からいったん裏庭に降ろした雪を2階の部屋の両側の窓を開放して《そり》で2階の部屋の中を通して表側の道路に投げ捨てました。

②それより道路側の雪が高くなると、裏側の屋根雪を一旦道路側の屋根に放り上げ、次に道路に投げました。

自分の家の他に学校などの公共施設の雪降ろしにも人手として駆り出されます。

現在のような高齢化社会では大変です。

一時期屋根に雪が積もらないように地下水をくみ上げて常時屋根に水を流しておく方法が採られました。

しかし地下の水位が下がり湧水が枯渇するようになって現在は使われていません。

新しい方法を取り入れるときは良いことばかりではないことを考えないといけません。

*前回までの記事は以下からご覧いただけます。

7月27日「お空に乗って」

【CAS×芽育】ひとことvol.8(お空に乗って:松田先生)

8月10日「お空に乗って(続編)ーお空の下ではー」

★祝10回★【C芽】ひとことvol.10(続編・お空に乗って)

8月24日「お空の下では(2)」

http://manasapo.net/blog/?p=981

8月31日「お空の下では(3)」

http://manasapo.net/blog/?p=989

投稿者:松田慎三郎先生プロフィール】

1945年生まれ・京都大学出身・工学博士

原研核融合那珂研究所長、理事を経て2011年から東工大、京大、東北大特任教授、研究員、ITER国内チームリーダ、プラズマ核融合学会長を歴任

専門は核融合炉システム

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【「ひとこと科学」について】

専門家の先生方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。

まずは、主に科学者の先生方の「言葉」から発信中。

【CAS×芽育】の新しい取り組み「ひとこと」



*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について

【CAS】市民と科学者のトークグループ CAS talkについて