【C芽】ひとこと科学vol.18(ウイルスは悪者?3/3)
みなさん、こんにちは。
科学者の先生方などの「言葉」を届ける取り組み「ひとこと科学」からの第18弾の投稿です。
前回と前々回に引き続き、加藤茂孝先生の「ひとこと」でウイルスの真相に迫ります!
皆さんにとって、タイムリーに興味深いテーマではないかと思います。
★「ひとこと科学」第18回投稿★
〈タイトル〉
ウイルスは悪者?(3/3)
〈本文に入る前に前回までのおさらい〉
前々回(最初の記事)で、「ウイルスは悪いことをしているように見えますが、実は、ヒトを含む生物の進化や自然環境の維持に大きな貢献をしている事が分かってきました」とのことで、ウイルスのびっくりするようなイメージの転換の例を前回と前々回で3つ挙げました。
今日は残りの2つをご紹介します。
〈本文〉
④ヒトの遺伝子を調べて行くとその内の8%がウイルス由来であることが分かって来ました。
つまり、我々の遺伝子の8%をウイルスからもらっていたという事。
それはヒトに進化する以前の哺乳類時代に手に入れたものが多いのです。
⑤哺乳類は自分の体内で胎児を育てますが、そのためには母親からの栄養成分は通すが、胎児を攻撃する免疫細胞を通さない仕組みを持つ胎盤が必要です。
その機能は胎盤の合胞体が担っています。
この合胞体形成にはウイルスの遺伝子が必要であったことが分かってきました。
我々はウイルス遺伝子のお陰で生まれることが出来た!
このように信じられないようなウイルスの役割が分かって来たのです。
――――――――――
全3回にわたって「ウイルスは悪者?」をテーマにお伝えしてきました。
これは私・西川の感じていることですが、何事にも良い面と悪い面があります。
悪い面が目立つとき、どうしても感情的になったり目くじらを立てたりしてしまいますが、一呼吸ついて、冷静に見る・考えること、そして、正しい知識と情報を判別し、それをもとに判断できる力をつけていくことが大切なのではないかと思っています。
*前回までの記事は以下からご覧いただけます。
9月21日「ウイルスは悪者?」(1/3)
http://manasapo.net/blog/?p=1003
9月28日「ウイルスは悪者?」(2/3)
http://manasapo.net/blog/?p=1019
【投稿者:加藤茂孝先生プロフィール】
1942年生まれ・東京大学出身・理学博士
国立感染症研究所室長、日本ワクチン学会理事、米国疾病対策センター(CDC)客員研究員などを歴任
【「ひとこと科学」について】
専門家の先生方の「言葉」を子どもたちや市民に届けていく取り組み。
まずは、科学者の先生方の「言葉」から発信中。
【CAS×芽育】の新しい取り組み「ひとこと」
*参考:「市民と科学者のトークグループ CAS talk」について
【CAS】市民と科学者のトークグループ CAS talkについて
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